スポーツ障害とは
【分類】
スポーツ障害のケガは「外傷」と「障害」の2つに分けられます。
*「外傷」とは1回の外力で生じた体の異常を指します。
捻挫・脱臼・打撲・骨折・肉離れ・腱断裂など
ラグビーやアメフトのように相手と接触する機会のあるコンタクトスポーツに多い。突き指なども外傷の1つ。

*「障害」は、同じ部位に繰り返しストレスがかかることによって生じた身体の異常。
オーバーユースシンドローム(使いすぎ症候群)による腰痛、膝痛、肩痛など野球のピッチャー(野球肩・野球肘)や陸上長距離(腸脛炎・アキレス腱炎・疲労骨折)


◎これらの「外傷」と「障害」を合わせて
「スポーツ障害」といいます。
《発生要因》なぜ起きるのか?
Ⅰ.個体要因
1)メディカル的要素
アライメントの異常、関節不安定性
例)X脚・O脚・反張膝・回内足・回外足
*貧血・内臓疾患・ゼンソクなどの内科疾患も含まれる。
2)体力的要素
筋力・筋持久力・筋柔軟性・パワーの不足や低下
3)技術的要素
危険なダイナミックアライメント、適正な技術が習得できていない事によるもの
4)心理的要素
気分が乗っていない時や、集中していない時、心理的に安定していない時、緊張・注意散漫な時
Ⅱ.環境要因
1)季節・天候
・冷えた状態での運動→肉離れ・腱断裂 炎天下/熱中症・水分不足
・雨の中→転倒しやすい
2)サーフェース
・(グラウンドや床の状態)凹凸により捻挫、濡れてスリップ
・硬い地面でのランニングやジャンプにより衝撃が大きくかかる
・ラケットのブリップ、スキーの板、ヘルメット、防具、シューズ
Ⅲ.トレーニング要因
1)トレーニングの種類・強度・時間・頻度・方法
*トレーニング自体がコンディショニングを崩す要因になっていることがある
・誤ったフォームでのトレーニングによる負担で痛める
・オーバートレーニング症候群に陥る
2)競技種目及びポジション
・怪我の危険性が高い競技種目・ポジション
応急処置(RICE)について
スポーツ外傷の応急処置(RICE処置)
・スポーツ現場などで「ケガ」がおこったとき、損傷部位の障害を最小限にとどめるために行う方法を応急処置といいます。

・一般的な応急処置の基本は、RICE処置で
R=rest(安静)
I=ice(冷却)
C=compression(圧迫)
E=elevation(挙上)
の4つの処置の頭文字を並べたものです。
現在RICE処置の前に
P=protrction(保護)を加えてPRICEと言ったり
Rの代わりに
M=morillization いわゆる動かす処置を入れてMICEと言ったりします。
さらにPOLICEは
restがOL=optimalloading 適切な負荷をかけるに置き換わった考え方です。

過度の固定や安静はケガから回復が遅くなるので、保護した上で適切な負荷をかけて早期に修復を促すという考え方に変わっています。
また、iceの有効性に疑問があったり、弊害があるとの報告もあり、全てにおいてアイシングが適切か?というと、そうでもありません。
当院では、そのようなエビデンスの変化にもいち早く対応しおひとりおひとりの症状に適した処置を選択することで、怪我の早期回復に取り組んでいきたいと思います。
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